Vägen för alla

スウェーデンで学んだこと、生活、色々。

スウェーデンの価値観

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インターン先のVärmdö市は8月にアフガニスタンコンゴからあらたに難民を受け入れたので、毎日なにかしら先輩たちは難民の方々と面談があり、私もくっついていっています。

 

Värmdö市で受け入れたNyalända(ニイアーレンダ、新しくスウェーデンに来た難民)はスウェーデン社会での生活再建を目的とするetableringエタブレ―リング・プログラムに参加します。
難民の方々がVärmdö市に到着したら、まず担当者は簡単な説明をし、その後1週間以内に再度フォローアップ面談、という流れ。


面談では、
プログラムの概要
子どもたちと大人がどんな学校に行き、
これからどのような可能性があるのか、
スウェーデンがどのような価値観を大切にしているのか
を伝えます。

 

簡単な言葉で短くまとめられたスウェーデン価値観リストは、
ペルシャ語アラビア語、ティグリーニャ語、スワヒリ語ソマリア語など各言語で読めるようになっています。
↓これはスウェーデン
画像1

画像2

日本語はないのでジェンダーにかかわる部分を訳してみました。

Kön och Jämställdhet

(生物学的)性別とジェンダー平等

ジェンダー平等とは女性と男性の間での平等を指す。

女性と男性は同じ権利と可能性を持つ。


また女性と男性は、社会と自身の人生に影響を与える権力を同じように持つ。


誰かが、ある人を男性もしくは女性だという理由でその人を不当に扱う場合、それは(生物学的)性別による差別だとみなされる。

 

スウェーデンにおけるジェンダー平等に関する法律
スウェーデンでは教育のために子どもを殴ることは違法であり、(子どもへ暴力をふるった場合は)刑務所へ送られる。

スウェーデンでは、家族の中で暴力を用いることは違法である。
家族の中で誰かが暴力をふるった場合、(当事者にかかわらず)誰でも警察へ通報することができる。

スウェーデンでは、自分のパートナーをなぐることは違法である。
法律によると、家庭での女性への暴力は、刑務所で罰せられうる違法行為である。

 

(生物学的)性別と性的志向の規範
スウェーデンでは、すべての人が性別に関わらず自分の望むパートナーと生きる権利を持つ。


自身がどちらの性別に属するかの認識は、通常、性的アイディンティティ(性的自己同一性)と呼ばれる。
性的アイデンティティは、その人がもつ肉体で決定されるのではなく、その人がどちらの性別に属していると感じるかによる。


ある人がホモセクシュアルバイセクシュアルであることで、もしくはある人が女性や男性がどうあるべきかという規範に挑戦するやり方で(自身を)表現することで、

その人が不当に扱われる場合、それは差別である。これは犯罪とされる。


(難民の方々にわかり易く簡単にまとめてあるだけなので、ジェンダーを勉強している自分としてはツッコミどころがけっこうあります(笑))

今回参加させてもらった面談は、イランからきたアフガニスタン難民のお母さんと娘さんのためのものだったのですが、

お母さんは

あらー、私、イランでは夫にお腹を殴られてたわ。ここでは犯罪なのね。

とコメント。
反応しづらい先輩と私…。
スウェーデンでは暴力が日常の一部にならないような生活を送ってほしいし、そんな生活ができるようにサポートしていきたいと思いました。
娘さんはというと、

わたし、これ、イランの学校で習ったよー

とびっくり発言。
通訳者も先輩も私も、

え⁉イランで!イランなのに⁉とびっくり。

世界には色々な価値観があって、ヨーロッパの国ではジェンダー平等と子どもの権利を大切にするって先生が教えてくれたよ。
様々な価値観があることを教えてくれるかどうかは先生次第だけれど、私の先生はちゃんと教えてくれたの。

と言っていました。
そういえば、イランで仲良くなった女の子たちもジェンダー平等やフェミニズムについて熱く語っていましたし、フェミニズム運動は中産階級以上の女性たちに人気があります。
娘さんの先生ももしかしたらフェミニストだったのかも?